第15回 「ピエールマルコリーニ」のMARCOLINIタブレット

ぶらり甘味散歩

正方形のショコラに秘められたカカオへの想い

銀座西五番街通りにあるひと際洗練された店構えとガラス扉越しに見える甘美なスイーツ。ベルギーの奇才 ピエールマルコリーニの銀座店だ。店内はショコラのブースとアイスや洋菓子のブースに入り口が分かれ、各々2階と3階にカフェスペースが設けられている。週末にはカフェを利用する人の列が表の通りに連なり、平日でもオープンとともに得意先への手土産を買い求めるビジネスマンを目にする注目のショップだ。日本への上陸は2001年。高級チョコレートメゾンのブームが続くなか、バリエーションに富んだクリエイティブなラインナップでファンを楽しませ続けている。
ピエールマルコリーニ氏は優秀な料理人を多く輩出するブリュッセルの「セリア」で学び、その後いくつかの名門店で修行を重ね1994年、30歳で独立。世界でも数少ないショコラティエ(チョコレート職人)と、パティシエ(ケーキ職人)、グラシエ(アイスクリーム職人)、コンフィズール(砂糖漬け菓子職人)の4つのディプロマを持つ人物である。カフェに訪れる人に人気はもっぱらパフェ。彼の4つのスイーツ職人技をまさにパーフェクト(parfait)に味わうにはかなったりのメニューなのだ。厳選された素材への強い想い入れが、コンフィチュール一つにも体現されているのが素晴らしい。
今回クローズアップして紹介するタブレット(板チョコレート)は、彼の素材へのこだわりを堪能できるアイテムだ。
通常のショコラティエは、各チョコレートメーカーからチョコレートを仕入れた後、味付けや香りを加えることでオリジナリティをだしている。しかし、マルコリーニ氏はカカオ豆の仕入れルートの開拓から、買付け、選別、調合、焙煎や精錬といったすべての行程を自身で行っているのだ。ワインのように、同じ産地でも年度によって微妙に変化するカカオは、良質な気候と土壌、栽培方法を持つ厳選した農園に幾度となく通いつめて、その品質を確かめて直接契約を取り付けている。このようにして届くカカオは、ブリュッセル郊外にあるアトリエに大切に保管され、10以上もの加工行程を踏んで彼の想いのこもったチョコレートへと姿を変えていくのだ。
正方形のタブレットは見ためにも新しい。MARUCOLINIの9文字のアルファベットが入り、ビター、ミルク、ホワイトのほか、ピーカンナッツやオレンジと全11種類が揃っている。また、イギリスのレザーブランド「エッティンガー(ETTEINGER)」のタブレット専用のケースが用意されるなど、マルコリーニ氏のオリジナリティも表現されている。
奇才と呼ばれる名に秘められた計り知れない努力から生まれているピエールマルコリーニのスイーツ。極上タブレットをレザーケースに入れてバッグに潜めれば、意外な楽しみが味わえるかも。

左の入口を入ると、縦長の店内にチョコレートが並べられたショーケースが配されている。

ピエール マルコリーニ 銀座

営業時間:11:00〜20:00(平日・土曜)L.O.19:30 / 11:00〜19:00(日曜・祝日)L.O.18:30
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座5-5-8
電話:03-5537-0015 / 03-5537-2047

右の入口を入るとすぐ左に、カフェのフロアへとつづく階段が設置されている。

タブレット ¥1,995〜2,205/1枚
タブレット レザーケース ¥10,605〜(タブレットの種類によって異なる。)

写真:猪又 直之