大吟醸の甘みと酸味を整えフルーティな香りを最大限引き出すグラス"

 ブドウの品種ごとにワインの香りや味を最大限に引き出すワイングラスで知られる、オーストリアのリーデル社が大吟醸酒をおいしく味わえるグラスを開発したことはご存知だろうか? このプロジェクトは若手日本酒メーカーの「日本酒をおいしく飲めるグラスを」というオファーから始まった。”飲み物の個性を最も引き出す”グラスづくりで経験豊富なリーデル社だが、日本酒には馴染みがなかったので、大きなチャレンジだった、という。
 開発は「グラスを作るためにはまず、お酒を知ること」という、リーデル社の基本方針のもとにおこなわれ、1998年3月にケオルグ・リーデル社長が来日し、数々の日本酒をテイスティング。その結果、銘柄ごとにいろいろな特徴を持つ日本酒に対して、ひとつのベストグラスを作ることは難しい。ならば、日本酒のなかで最高の味覚と香りを持つ大吟醸のためのグラスを作ろう、ということになった。そして蔵元11社をはじめ日本酒専門家の協力を得て、テイスティングによる選考が何度も繰り返され、その選考会が20回をこえる頃、約100種のサンプルグラスのなかから4つのグラスにしぼられた、という。最終選考会は2000年5月にオーストリア大使館でおこなわれ、ようやくひとつのグラスにたどりつく。比較試飲を重ねること25回、のべ200人の専門家による厳しいテイスティングを経て、ついにリーデル〈ヴィノム シリーズ〉「大吟醸」グラスが誕生したのだ。
 ボウルはやや大きめの卵型。大吟醸酒を1/3ほど注ぐと、香りがグラス内に凝縮され、グラスを回すことでその香りが爽やかに広がる。まっすぐにカットされたエッジは、お酒を舌の適切なところに導き、酸味を強調し甘味との微妙なバランスをとってくれる。ステム(脚)はワイングラスのように長くデザインし、手のぬくもりで大吟醸酒の風味を損なわないよう配慮した。
 このグラスでぜひ味わってほしいのが、「加賀鳶 純米大吟醸・藍」だ。契約栽培した酒米の最高峰「山田錦」だけを使用し、低温で丹念に仕込んだ純米大吟醸。辛口で鋭いキレがありながら、軽快にふくらむうま味も抜群だ。大吟醸酒ならではのフルーティな香りが漂い、女性でも楽しめる。冷やしてじんわりと味わうとおいしいが、そのとき小さな冷酒用グラスで飲んだのでは、味も香りも台無し。リーデルの「大吟醸」グラスなら、甘味と酸味のバランスを整え、フルーティな香りを強調して最高に堪能できる。
 和食はもちろん、洋風のオードブルやチーズにも意外なほどマッチする大吟醸酒。イタリアンやフレンチを大吟醸で味わうなんて、とても粋な演出だ。そのとき脚のついた「大吟醸」グラスなら洋風テーブルコーディネートにもしっくりなじむ。

文・編集/コロンナ 撮影/綿屋 修一 協力/株式会社 福光屋 リーデル・ジャパン株式会社